学校長からのメッセージMessage

令和3年 Ⅰ学期終業式

皆さん、お早うございます。
今日は第一学期の終業式。本来なら、中高全学年揃って、対面で終業式を行う予定でした。しかし、新型ウィルス感染防止のため、本日は中学二年生と高校二年生の皆さんに学園講堂に集まっていただき、他学年の皆様には教室にライブ配信をさせていただいています。どうか、現状を理解して、受け止めてください。
新型コロナウィルス感染症は未だに収束していません。これまでよりは感染者数が減り、緊急事態宣言が解除されましたが、今なお、気を緩めることはできません。ワクチン接種も本格化し、明るい兆し、光明が見えてきても、感染症終焉までには、まだまだ長い道のりが続きます。今後も、常に感染防止対策を意識して楽しい学校生活、家庭生活を送ってください。
さて、この一学期を振り返ってみると、やはり、「新型コロナウィルス禍の影響が大きかった」の一言に尽きます。4月25日からは5月11日まで第三回目目の「緊急事態宣言」発出され、さらに5月31日まで延長されました。しかし、なお、収束の目途が立たず「緊急事態宣言」が六月二〇まで再延長され、やっと、6月20日に宣言が解除されました。
この間はおいては、教育活動が大きく影響を受け深刻な環境になりました。先ず、通常授業の在り方に影響が出ました。感染防止対策のため、時差登校で45分の短縮授業を基本に、原則、通常授業、対面授業を実施しました。また、同時に体調不良等で登校できない生徒についてはライブで各授業を配信しました。対面とライブのいわゆるハイブリッド方式で授業の担保をいたしました。このように選択できる方法の中で、あなた方の学習状況、学力の進捗はどうでしたでしょうか。平等に与えられた教育環境、時間を有効的に使って、実りのある家庭生活、学習を行うことができたでしょうか。
多くの生徒は、現状をよく理解して、与えられた環境の中で、限られた教材を十分に活用して成果を上げてくれたと思います。しかし、中には、貧しい心が芽生えて、怠惰な生活を送り、無駄な時間を過ごした人もいるかもしれません。結局は与えられた環境の中で、自ら進んで、精一杯努力する姿勢が大切です。何事においても、心のあり様が結果に大きく影響を与えるのです。常に前を見据えた、一歩先の精神の礎である豊かな心がなくてはならないことを心に留めておいてほしいと思います。
新型コロナウィルス禍の影響受け、私たちは不安と戸惑いの中で、様々な教訓を得たと思います。その一つが全ての人々が心ひとつにして「約束を守る」ことが有事から平時に戻ることの源泉になるということです。
英語圏では「covidiot(コーヴィディオット)」という言葉も生まれました。「コロナウイルス」を表すcovidと、「愚か者」を表すidiotが組み合わされた言葉で、ウイルスが蔓延する危険を無視して自分勝手に行動する人を非難する言葉です。人間社会は共同生活を営むことから成り立っています。人は一人では生活、生きていくことはできません。この環境の中で、自分中心の考え方に固守せず、周りの人々の考え方や個性を尊重し、互いに助け合い、支え合うことがとても大切です。このような温かな人権関係を構築するには、やはり、本校の教育理念にある「報恩感謝」の念を備えた豊かな魂、フレームの大きな心を育むことです。
一学期の行事を振り返ってみると、中一東本願寺一泊研修、中高球技大会、高一、二文楽鑑賞などが中止になり、また高二の北海道修学旅行は延期になりました。予定通りの行事を実施できなかったことはとても残念な事でありました。しかし、制限された教育環境の中で、あなた方の協力と頑張りでどうにか一学期を終了することができ、当初の教育目標を達成することができました。協力いただいた全ての皆様方に深く感謝いたします。
学校全体として、反省をしなければならないことが起こっています。中学、高校のどの学年においても生活指導担当の先生の指導を受ける行動が発生しています。残念ながら心の貧しい、自分中心の考えから、人を侮辱するいじめに繋がる行為が起きています。朝に礼拝、夕べに感謝を校訓にする報恩感謝を教育理念にする大谷学園にとってはまことに残念なことです。
また、携帯電話の使い方について定められたルールを逸脱する行為が起こり、周りの多くの人々に迷惑をかけているケースも発生しています。携帯電話については、本校は以前、利用は認めていませんでした。しかし、緊急事態に備えて安全確保の連絡のみに限定して、ルールを定めて利用の許可をしています。私たちは共に共同社会に生きる一員です。一旦決められたルールを順守するのが私たちの義務であり責務です。特に未成年者のあなた方は決められたルールを守るところに価値を見出し、世の中の全ての人々から信頼される、共同生活における社会性を培っていただきたいと思います。
終業式は心をアップデートし気持ちを切り替えるきっかけとなる日です。また、同時に自分自身の行動について、心のあり様について反省をしなければならない機会でもあります。
ここで、自分の心を省みることに繋がる松下幸之助氏の言葉を紹介したいと思います。日本には数え切れないほどの経営者がいますが、その中でも「経営の神様」と呼ばれたのがパナソニックの創業者、松下幸之助氏です。パナソニックという大企業を一代でつくり上げた原動力は「心のあり様」を原点にした経営哲学です。その中の一例を紹介したいと思います。
「人と比較をして、劣っているといっても、決して恥ずることではない。 けれども、去年の自分と今年の自分とを比較して、もしも今年が劣っているとしたら、それこそ恥ずべきことである。
失敗とは成功する前に止めること。
成功するまで続ければ必ず成功する」
一学期、うまくいった人も、少しつまずいている人も、悩んでいる人も、心をアップデートし、心を豊かにして、元気な姿で二学期を迎えることができるよう、この夏休みを大いに利用し、大いに楽しみ、意義あるものにしてください。特に高校三年生は人生で一番勉強しなければならない夏休みです。後になって「もっと勉強すればよかったのに」と大きな悔いが残らないように全力を挙げて努力してください。祈っています。
最後に良いお知らせをいたします。一つはこの四月に理科教育研究所が設立されました。約一〇名の先生方を研究員として構成されています。これからの対話的な深い学びに対処できるように、理科実験の環境整備、理科の講演会の誘致、各科学コンテストにおけるプレゼン力の支援などにご指導いただきます。さらに、C館一階の下足室を完全リニューアル、空調設備、プロジェクター、スクリーンを設置いたします。その環境の中で、英語教育の充実を計画しています。アクティブラーニングをオールイングリッシュで行うトレーニングを実施する予定です。また、食堂としても利用していただこうと考えています。夏休み中に工事を進め、9月の初旬には完成いたします。皆さん楽しみにしてください。
一学期が無事に終了しました。報恩感謝。自分自身に感謝、お父さん、お母さん、保護者の皆様方に感謝、先生方に感謝、助けていただいたすべての方々に感謝しましょう。以上で話を終わります。

(令和3(2021)年7月20日)