学校長からのメッセージMessage

令和3年 Ⅱ学期始業式

今日は大切な第二学期の始業式です。本来なら、全学年、対面で始業式を実施したかったのですが、残念ながら、感染防止で、密を避けるため、本日は放送にて始業式を実施いたします。どうか、現状を理解して、受け止めてください。

さて、楽しみにしていた夏休みも、あっという間に終わってしまいました。まず初めに、夏休みが終わり、皆さんが元気に登校し、こうして、互いに顔を合わせることができ、夢と希望に溢れる第二学期を迎えることができましたことを大変うれしく思い、心より神仏のご加護に感謝したいと思います。始業式は心をアップデートし、気持ちを切り替えるきっかけとなる大切な日です。何事をするにも始めが肝心です。前向きな姿勢で学校生活を送ってください。

新型コロナウィルスの影響を受け、2020年東京オリンピックを実施するか否かの賛否両論の中で、予冷通り開催され、無事終了いたしました。日本は金メダル27個、金メダル14個、銅メダル17個、計58個のメダルを獲得し、オリンピック史上最高の成績を残しました。開催中に行われた様々な競技種目の試合の中で、私たちに感動を与えていただいた全ての選手の皆様に心より感謝したいと思います。改めて、スポーツの存在価値に、素晴らしさについて再認識させていただきました。

金メダルを獲得して頂点を極めた選手が、最高の笑顔で喜び、うれし涙を流した姿。一方、目標を達せることができなかった選手が、落胆の顔で、悔し涙を流した姿は、両者とも、全力を尽くした後の清らかな心から生まれた結果そのものです。だからこそ、私たちの心に選手たちのピュアな心情が届き、私たちも心から感動して清らかな涙を浮かべることができたと思います。本当に「スポーツは素晴らしいな。」という思いになりました。

金メダル獲得した選手たちは勝利インタビューの中で、皆、異口同音に「積み重ねた努力が報われた。最善の努力によって目標を達成し、幸せを掴むことができた。最高にうれしいです。そして、同時にこれまで支えていただいた家族をはじめ、全ての人々に心から感謝したいです。」とのコメントを残しています。私たちは彼らの言葉から次のような大切なことを学ぶことができたと思います。

結局、目標を立て、それを成就しようとするならば、「努力の継続」が必須条件であること。また、大輪の花を咲かせて、実をつけることができた陰には周りの人々の協力と支えがあったということを悟り、心から感謝することです。そして、達成した結果を礎にさらなる目標を定め、自信を持って取り組む姿勢を身に付けることです。この心構え、心のあり様を育むためには、やはり、本校の教育理念である「報恩感謝」の念を礎にした豊かな魂、フレームの大きな心が大切です。この建学の精神、教育方針は世の中がどう変わろうが、時代や環境がどう変わろうが、揺るぎのない心の拠りどころです。どうか、皆さん、ひたすら高い偏差値だけを追い求めることなく、人として信頼される社会性を身に付けた人になってください。

第二学期は一年の中で一番爽やかな気候に恵まれ、努力の成果が表れる時期で、「読書の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」などと言われるように、学習やスポーツに打ち込める絶好の季節です。この時季は、学校教育においても、特に大切な学校行事と位置付けられている文化祭、体育大会などの様々なイベントが計画されています。しかしながら、第四回目の「緊急事態宣言」が発出され、さらに延長され、新コロナウィルス感染状況は依然として、芳しくありません。コロナワクチン接種も進んでいますが、透明感が漂っています。状況によっては、あなた方の健康と安全を担保するため、残念ながら、延期、縮小をしなければならない行事もあることを承知しておいてください。

ともあれ、幸いにも実施された場合、それぞれの行事の目的を十分に理解し、最高のパフォーマンスをして、高い教養と豊かな心、真の人間力を身につけてください。成果ある行事にするためには、互いに対等の立場で、対等の目線で語り合い、相手を思いやり、助け合い、協力することが何よりも大切です。あってはならないことは、これらの行事を通して、相手を思いやる気持ちに欠け、お互いの気持ちが離れてしまうことです。ましてや、いじめ行為が生じることのないようにしてください。
私たち人間は喜怒哀楽の感情をはっきり表す生物です。感情に大きく左右されやすい特性を持っています。良いことが起これば大いに喜び、好ましくないことが起きれば大いに悲しむ、これが私たち人間です。しかしながら、人との争いを避け、穏やかで楽しい生活をするには喜怒哀楽の感情を正しくコントロースすることがこの上もない大切なことです。そのためには、百十二前に校祖、了秀先生が唱えられた、高い教養と豊かな魂、フレームの大きな心を身に付けて欲しいと強く感じています。
今日は二学期の始業式に当たって、「勉強とは何のためにするのか」についてお話をしておきたいと思います。
「人はなぜ勉強するのか、なぜ、しなければならないのか」。これは人として人生を送るうえで常に私たちの心に存在する切実な問題であり、永遠のテーマです。

これに対して、ややもすると、立身出世のため、自分自身だけの幸せのため、ただひたすら高い偏差値を求めて勉強するとする考え方があります。しかし、結果的に「今だけ、ここだけ、私だけ、選んで、嫌って、切り捨てる」の心が芽生えて、物事を自分中心に見る狭い考え方で日常生活を送ることになりかねないことが多いのです。様々な人々に嫌な思いをもたらし、迷惑を掛けていても気づかない。このような生き方は真の意味で幸せな生き方であると言えるでしょうか。

この問題について一つの明かりを示してくれる考え方があります。私たち一人ひとりには他の人にはない独特の尊い持ち味、個性が与えられています。尊いというのは他の人より優れているとか劣っているとかの優劣の問題ではありません。個性があるそのこと自体がかけがえのない尊さなのです。このような他の人にはない尊い持ち味を見つけ出し、それを100パーセント発揮して、自己実現の喜びを味わう人生こそが幸せな人生であると考えられています。全ての人々に平等に与えられている尊い「持ち味」「個性」を見つけ出すこと、未見の我に気付くことが、まさしく「勉強」であるとされています。その第一歩は学校での各教科の学習です。日々の授業にしっかり耳を傾け、全力で学習に取り組み、自分の得意分野、関心のある範疇に気付くことです。

次に勉強しようと志を立てるには、やはり勉強したいと思うきっかけと目標を掲げるこが大切です。ノーベル生理学賞・医学賞を受賞された本庶教授は、研究したいと思ったきっかけは「免疫現象の原理を知りたい。不思議な分子の原理を知りたい。」と思う好奇心である。また、「何かを知りたいと」という目標がしっかりしていれば、困難があっても、いつかは目標にたどり着けると述べられています。「まず何かに熱中すること。何でも良いから、誰の目も気にせず、声を掛けられても返事もしないほど熱中できるものを見つけることが第一である」と語られています。

ips細胞の作製に成功された山中伸弥教授は、自分を医学の道に導いてくれた恩人は父である。中学生の頃、けがの治療で受けた輸血で肝炎になり、自分が医師になった翌年に五八才で亡くなった。父に対して何もできなかった無力感から研究者になろうと思ったと語っています。また、留学先の恩師に研究者として成功する秘訣を教わった。それは「Vision And Work Hard」という言葉で、しっかりした展望ビジョンを持て一生懸命努力すれば間違いなく成功できるという単純明快な教えであったとおっしゃっています。

この二学期は学習においても、最も実力が身につく時期です。この学期でどこまで計画的に努力するかが今後の成績の進捗に大きく影響を与えることは明白です。今、高校三年生の皆さんは志望校に合格できることができるよう、大学受験に向かって必死になって勉強していると思います。また、高校一年生、高校2年生の皆さんはそれぞれ自分の進路を考え、中学生の皆さんは一人ひとり将来に向けて夢を抱いていることと思います。それぞれが抱いた目標、進路、夢を実現しようと思えば、それに見合う努力をすることが絶対条件です。努力なしでは何の成果も生まれることはありません。これは自明の真理です。

中学生、高校生は青春の真只中、二度と戻ることのない大切な時期です。肉体的にも、精神的にも、一番成長し、反面、最も環境に影響を受ける時期でもあります。ひとり一人、自分なりの悩みを抱え、社会や世の中のことに疑問を感じることがあるかもしれません。しかし、今、目の前にあること、今、すぐに出来ること、やるべきことに真剣に取り組むことはとても大切なことであると思います。一学期において、学習面、生活面共にうまくいかなかった人は、この二学期を節目に「人と過去は変えることはできないが、自分と未来は変えることができる」という気持ちを持っていつでも夢を、一歩先への精神で頑張ってください。

第二学期は極めて大切な学期です。自分自身ために、クラスのために、大谷中学校、大谷高等学校のために、一人ひとりが惜しまず最大限の努力をしてください。みんなで楽しい二学期にしましょう。

(2021(令和3)年8月25日)